行政対応
【ケース】
行政への対応を顧問弁護士に依頼することはできますか。
実地指導、介護報酬の算定、高齢者虐待の対応などで行政対応が必要になる場合があるかと思います。
この点、法律の解釈・適用、あてはめについては、法律の専門家である弁護士にご相談のうえ対応された方が精度が高まります。
また、介護保険審査会への審査請求や裁判所への取消訴訟となると、弁護士による対応が必須です。
ぜひ、顧問弁護士を活用してください。
実地指導への同席
令和元年5月29日老指発0529第1号「介護保険施設等に対する実地指導の標準化・効率化等の運用指針について」(以下「運用方針」といいます)には、次のような記載があります。
「実地指導の際、事業所の対応者については、必ずしも当該事業所管理者に限定することなく、実情に詳しい従業者や事業者を経営する法人の労務・会計等の担当者が同席することは問題ないこと。」
⇨ 令和元年5月29日老指発0529第1号「介護保険施設等に対する実地指導の標準化・効率化等の運用方針について」
この「事業者を経営する法人の労務・会計等の担当者」には、顧問弁護士も含まれると解されます。
介護保険法や各介護サービスの運営基準の解釈・適用、あてはめが問題になるような場合については、法律の専門家である弁護士の同席が望ましいと考えられます。
また、前述の「運用方針」には、「留意事項」として、次のような記載もあります。
「・ 実地指導にあたっては、担当職員の主観に基づく指導や、・・・前回の指導内容と根拠なく大きく異なる指導を行わないよう留意すること」
「・ ・・・根拠規定やその趣旨・目的等について懇切丁寧な説明を行うこと。」
「・ 高圧的な言動は控え、・・・ること」
このような留意事項は、言ってみれば、当たり前のことですよね。
このような当たり前のことを留意事項として記載しなければならないほど、実地指導においては、担当職員の主観に基づく指導や、前回の指導内容と大きく異なる指導がなされ、また、根拠やその趣旨・目的について丁寧な説明はなされず、さらには、高圧的な言動がなされてきた、ということなのでしょう。
このような実地指導の実態からすれば、監視役として、法律の専門家である弁護士を同席させることは非常に有効だと考えています。
ぜひ、顧問弁護士を活用してください。
運営指導への同席
令和4年3月老発0331第6号「介護保険施設等の指導監督について(通知)」により、令和4年3月31日、新たに、「介護保険施設等指導指針」及び「介護保険施設等監査指針」が定められました。
⇨令和4年3月老発0331第6号「介護保険施設等の指導監督について(通知)」
また、これにともない、令和4年3月31日、「介護保険施設等運営指導マニュアル」が作成されました。
これにより、指導に関する過去の通知、指針、マニュアルは廃止されました。
令和4年3月の改正は、さらなる指導の標準化・効率化をめざすもので、とりわけオンラインの活用がうたわれているのが特徴的です。
もっとも、たとえば、「介護保険施設等指導指針」には、やはり、「留意事項」として、以下のような記載がありました。
「・ 実地指導にあたっては、担当職員の主観に基づく指導や、・・・前回の指導内容と根拠なく大きく異なる指導を行わないよう留意すること」
「・ ・・・根拠規定やその趣旨・目的等について懇切丁寧な説明を行うこと。」
「・ 高圧的な言動は控え、・・・ること」
これらの記載からしても、まだまだ、監視役として、法律の専門家である弁護士を同席させることは非常に有効だと思います。
ぜひ、顧問弁護士を活用してください。